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URINE PROTEIN

たんぱく尿を指摘された方へ

たんぱく尿は一種類ではありません。「あるかどうか」だけでなく、何のたんぱく質が、どの程度出ているかを調べることで、病変の場所や原因を推定できることがあります。

尿の泡立ちむくみ・体重増加尿蛋白の精密評価
気になることからこのページへ来た方へWHY THIS PAGE

尿の泡立ちが気になる方へ

尿にたんぱく質が多く含まれていると、泡立ちが目立つことがあります。ただし、尿の勢い・濃さ・便器の状態でも泡立つため、見た目だけでは判断できません。 たんぱく尿の可能性を尿検査で確かめるため、このページをご案内しています。

むくみ・短期間の体重増加が気になる方へ

多量のアルブミンが尿へ失われたり、腎臓から水分や塩分を十分に排泄できなかったりすると、まぶたや足のむくみ、短期間の体重増加が起こることがあります。 たんぱく尿と腎機能の両方を確認する必要があるため、このページをご案内しています。

01
ABOUT

たんぱく尿とは

腎臓からたんぱく質が尿へ出るしくみ

正常な腎臓では、身体に必要なたんぱく質を血液中に保ちながら老廃物を尿へ排泄します。糸球体のフィルターが傷む、尿細管での再吸収がうまくいかない、血液中に異常なたんぱく質が大量に増えるなど、さまざまな仕組みでたんぱく尿が生じます。

正常な状態とたんぱく尿の状態を比較し、糸球体のフィルター障害でたんぱく質が尿へ漏れ出ることを示す図
図:正常な状態と、たんぱく尿が出る状態のイメージ。
出典:厚生労働省「腎臓からのSOSを見逃していませんか?~腎臓と脳や心臓の関係、尿蛋白って?~」(厚生労働省ホームページ)をもとになりみやクリニック作成(2026年7月21日利用)。
02
PROTEIN TYPES

たんぱく尿にも種類があります

「どんなたんぱく尿か」を見ることで、腎臓のどこに問題があるのか、あるいは腎臓以外の病気が背景にないかを推定できる場合があります。

1

アルブミン尿(糸球体性蛋白)

主に糸球体の異常を考える手がかり

アルブミンが主体のたんぱく尿です。血液をろ過する糸球体のフィルターが傷み、アルブミンが尿へ漏れている可能性を考えます。

2

グロブリン尿(尿細管性たんぱく尿)

主に尿細管・間質の異常を考える手がかり

低分子たんぱく質などが主体です。本来は尿細管で再吸収されるたんぱく質を十分に回収できなくなっている可能性があります。

3

オーバーフロー蛋白尿

腎臓以外で異常なたんぱく質が増えている可能性

血液中で特定のたんぱく質が大量に増え、腎臓の処理能力を超えて尿へあふれ出す状態です。多発性骨髄腫などの血液疾患が見つかる手がかりになることがあります。

たんぱく尿は「あるかどうか」だけでなく、「何が、どの程度出ているのか」を調べることが重要です。
03
WHY IT MATTERS

「何が出ているか」から、病変の首座を考えます

腎臓は一つの臓器ですが、糸球体、尿細管、間質など異なる役割を持つ領域があります。尿中たんぱく質の種類や割合を分析することで、主な病変部位を推定し、必要な追加検査へ進みます。ただし、尿蛋白だけで病名を確定するのではなく、尿沈渣、血液検査、腎機能、画像検査、全身所見を組み合わせます。

04
SYSTEMIC DISEASE

たんぱく尿の詳しい分析が、全身の病気を見つける手がかりになることがあります

膠原病・血液疾患・ときにがんの手がかりに

たんぱく尿の原因は、腎臓そのものの病気だけとは限りません。尿へ漏れているたんぱく質の種類を詳しく調べることで、膠原病や多発性骨髄腫などの血液疾患、ときにがんを含む全身の病気を見つける手がかりになることがあります。

05
QUALITATIVE VS QUANTITATIVE

定性検査が陰性でも、たんぱく尿を否定できないことがあります

一般的な尿試験紙は主にアルブミンを検出します。そのため、尿細管性たんぱく尿や免疫グロブリン軽鎖によるオーバーフロー蛋白尿では、定性検査が陰性または軽度陽性でも、定量すると多量のたんぱく質が確認されることがあります。尿蛋白定量と尿アルブミン量の食い違いは、アルブミン以外のたんぱく質を疑う重要な手がかりです。

06
BENIGN PROTEINURIA

すべてのたんぱく尿が腎臓病を意味するわけではありません

一時的なたんぱく尿

発熱、激しい運動、脱水、強いストレスなどで一時的に陽性となることがあります。

07
PERSISTENT PROTEINURIA

持続する病的なたんぱく尿を放置すると、なぜ問題なのか

腎臓の傷みを示すサイン

持続するたんぱく尿は、糸球体や尿細管などに病変がある可能性を示します。

腎機能低下のリスク

特に糸球体性たんぱく尿では、漏れたたんぱく質が尿細管へ負担をかけ、炎症や線維化に関係することがあります。

量の評価が重要

陽性・陰性だけでなく、どの程度の量が持続しているかを確認します。

むくみ・体重増加

大量のアルブミンが失われると低アルブミン血症となり、まぶたや足のむくみ、短期間の体重増加が起こることがあります。

08
SYMPTOMS

尿の泡立ちは、たんぱく尿のサインの一つです

たんぱく尿で泡立ちが目立つことはありますが、尿の勢い、濃さ、便器の状態でも泡立ちます。泡の見た目だけでは判断できず、泡立たなくてもたんぱく尿が出ている場合があります。

09
eGFR

たんぱく尿だけでなく、eGFRも一緒に確認しましょう

たんぱく尿は腎臓のフィルターや尿細管の異常を考える手がかりです。一方、eGFRは腎臓が血液をろ過する働きの目安です。尿検査と血液検査を一緒に見ることで、腎臓の状態をより正確に評価できます。

eGFRについて詳しく見る →

10
EXAMINATION

当院で行う検査

尿検査と血液検査で、たんぱく尿の量・種類・背景を確認します。さらに、腎臓の大きさや形、左右差、嚢胞、尿路の閉塞などを確認する腎形態の評価も非常に重要です。画像検査が必要な場合は、近隣の連携医療機関へ手配します。

URINE TEST

尿検査

早朝第一尿

起床後最初の尿を調べます。運動や立っている時間の影響を受けにくく、持続するたんぱく尿か、一時的・起立性のたんぱく尿かを判断する手がかりになります。

尿蛋白定量

尿へ漏れているたんぱく質の量を数値で測定します。試験紙の「+」「-」だけでは分からない量を、尿蛋白/クレアチニン比などで評価します。

尿蛋白分画

尿へ漏れているたんぱく質が何者なのかを評価します。アルブミン、低分子たんぱく質、異常免疫グロブリンなどを調べ、病変の中心を考える手がかりにします。

尿沈渣

尿の中に赤血球、白血球、円柱など、腎炎や尿路の異常を示す手がかりがないかを顕微鏡で確認します。

BLOOD TEST

血液検査

クレアチニン・eGFRの再検

腎臓のろ過する力を改めて確認し、過去の結果と比べて変化していないかを評価します。

腎疾患に関連する血液検査

血清アルブミン、血算、補体、免疫グロブリンなどを確認し、たんぱく尿の背景にある病態を調べます。

自己抗体・感染症の確認

必要に応じて、腎炎と関連する各種自己抗体や感染症を調べ、免疫性・炎症性の腎疾患が隠れていないかを確認します。

IMAGING TEST

腎臓の形態を確認する画像検査

腎臓超音波検査

腎臓の大きさ・形・左右差、嚢胞、腎盂の拡張などを、身体への負担が少ない超音波で確認します。

CT検査

超音波だけでは分かりにくい腎臓や尿路の形態、結石、閉塞、腫瘤性病変などを、より詳しく確認します。

画像検査の手配について
当院では現時点で超音波検査・CT検査を院内実施できません。診察と尿・血液検査の結果から必要性を判断し、近隣の連携医療機関へ検査を手配します。検査結果は当院でも確認し、その後の診療方針につなげます。
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MESSAGE

腎臓診療の現場に携わる立場から

医師がやさしく説明しているイラスト

たんぱく尿は、健診で「+」と記載されていても、症状がないため、そのまま様子を見てしまう方が少なくありません。しかし腎臓診療では、単にたんぱく尿が「あるか、ないか」だけではなく、どの種類のたんぱく質が、どの程度、どのくらいの期間出ているのかを確認することが重要です。

アルブミンが主体であれば糸球体、低分子たんぱく質が主体であれば尿細管・間質の障害を考える手がかりになります。さらに、異常な免疫グロブリン軽鎖が尿へ出ている場合には、多発性骨髄腫などの血液疾患が見つかるきっかけになることもあります。

一方で、発熱や運動、脱水、起立性たんぱく尿など、一時的で大きな問題にならない場合もあります。だからこそ、一度の定性検査だけで過度に心配するのでも、反対に放置するのでもなく、再検査と定量検査によって、そのたんぱく尿の性質を見極めることが大切です。

当院では、尿蛋白量、尿アルブミン量、尿沈渣、腎機能、血液検査などを組み合わせ、病変の中心が糸球体なのか、尿細管・間質なのか、あるいは腎臓以外の病気が関係しているのかを整理します。専門的な検査や治療が必要な場合には、腎臓内科や血液内科を有する基幹病院へ適切につなぎます。

12
VISIT

健診結果や過去の検査結果をお持ちください

受診時に役立つもの

健診結果・過去の血液検査と尿検査
お薬手帳
家庭血圧や体重の記録
ご家族の腎臓病について分かる情報